明治安田生命J3リーグ第1節 福島ユナイテッドFC-ザスパクサツ群馬

明治安田生命J3リーグ第1節、福島ユナイテッドFCvsザスパクサツ群馬
とうほう・みんなのスタジアムへ行ってきました。

開始6分、ザスパクサツ群馬がハンドからPKを得ると、J2得点王経験者の大久保哲哉が決めて先制。一度はキーパーに弾かれるが、詰めて決めた。

J1やJ2で実績のある選手が多い群馬が主導権を握るかと思ったが、意外にも(と言っては失礼だが)福島がポゼッションで上回り、主導権を握る。


福島の攻撃の中心はニウド。かつてはコンサドーレ札幌でもプレーしていた選手。
ボールを奪って反撃するときはニウドのドリブルからがほとんど。
さらに、ニウドは守備でも大貢献。群馬のシュートシーンにはしっかりブロックに入り、ブロックしたボールがハーフウェーラインの先まで飛んだ場面もあったほど。
しかし前半は福島のゴールがなく、0−1で折り返す。


後半開始早々、早くも福島が追いつく。

前半の感想を打っている間に、ゴールを見逃してしまいました。
しかし、このゴールで、大人しく観戦していた福島サポーターにも熱が入ったんじゃないだろうか。


後半も試合の主導権は福島が握る。ニウドを起点に攻めるだけでなく、サイドでうまくパスをつないでザスパクサツ群馬の陣内に攻め込んでいる。
心配したのは、前半から献身的に攻守で顔を出すニウドの体力。あれだけ頑張っていたら「くっ!ガッツがたりない!」になりかねない。
そんなニウドに、ご褒美のようなゴールシーンが訪れる。

後半40分、左サイドからのクロスをヘディングで折り返すと、FWの樋口寛規がスルー、あとはニウドが叩きこむだけ。2−1。
福島ユナイテッドFCが逆転!何より、献身的に頑張っていたニウドが報われるようなゴールがあったのが良かった。


試合は2−1で終了し、福島ユナイテッドFCの逆転勝利。
3月11日という日に、福島ユナイテッド福島県内に明るいニュースを提供できる結果になった。

今日で丁度、震災から7年。
福島ユナイテッドの負けられない気持ちもあったと思うけど、J2以上で実績のある選手を揃えた群馬に対して、しっかり主導権を握れていた。
この辺はチームの熟成度の差もあるのでしょうね。群馬は布啓一郎監督になって最初の公式戦だが、福島は田坂和昭監督で2年目。群馬も、監督がやりたいサッカーが浸透してくると、J3では手の付けられない強さになるのではないかと思う。
福島ユナイテッドはライセンスの関係でまだ昇格は難しいけど、復興へ歩みを進める福島の人たちへの活力になってくれればいいし、勝ち続ければJ2ライセンス取得も見えてくるはず。


14時40分からは東日本大震災追悼セレモニーが、試合後のとうほう・みんなのスタジアムで行われた。
スタジアムの大型ビジョンにクラブの歩みをまとめた映像が流れ、それが終わると14時45分あたりから、水を打ったような静寂がスタジアムを包む。
スタジアムにはまだ多くの人がいる中で、今まで一度も感じたことのない静寂に包まれる。
帰りの足の都合で帰ってしまった人もいたとは思うが、ほとんどの人はスタジアムに残り、ザスパクサツ群馬の選手もいて、群馬サポーターも数多く追悼セレモニーに残ってくれていた。


地震発生時刻の14時46分より、再び黙とうが行われた。
人がいるスタジアムなのに、物音すら聞こえないような静寂が黙とうの少し前からそこにはあった。
みんな、震災で被害に遭われた人への思いがあってこその静寂なんだろう。


あえて否定的な言い方になってしまうが、黙とうって、あくまで気持ちだけのものであると思う。
哀悼の意を形にするものであって、黙とうをしなくても、亡くなった人への思いや、犠牲を無駄にしない未来づくりができていればいいものだとは思っている。地震発生時刻に黙とうをしたが、実際に亡くなった人の多くはその時刻じゃなくて、その後の津波による犠牲が多いと思うし。


でも、今回は福島の地で、黙とうに参加して良かったと思った。前述の考えなら場所や時刻にこだわる必要はないのだけど、そこに集まる人の思いが伝わったし、まだまだ復興の途上にあることや、新たな災害への備え、スポーツを楽しめる幸せなど、色々考える機会を貰えたから。



追悼セレモニー後は、無料シャトルバスでスタジアムを後にし、福島駅から東北本線を南下して帰路へ。
初めてのとうほう・みんなのスタジアムは、楽しかったです。逆転勝利で盛り上がるいい雰囲気を感じられたし、スタジアムグルメもあったし。
スポーツを楽しめるって、ありがたいもんです。震災から一か月半は、それが失われていたのだから。


★きょうの歩数…9244歩


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